春と言ったら桜でしょ♪3月末のお別れ制作でも使えるし、新学期の制作にも使えそうなちびっこの造形です。
小さい子どもの造形あそびは、季節やイベント(文化や風習)をうまく取り入れながら、興味や知識を深めながら行うのも良いですね。節分、子どもの日、クリスマスなど、季節それぞれの特徴を造形の中に取り入れると、制作しながら理解が深まります。今回は桜の制作ですが、制作の後、屋外で見る桜や花咲く植物達への興味も促してみてください。きっとたくさんの発見があると思います。季節の造形はメインナビの「季節で選ぶ」から探してみてくださいね。
□びりびりやぶる体験は、手指・全身運動を促します。
□やぶった紙を、紙吹雪のようにパラパラ~は、感情的にも運動的にも良い刺激になります。
□造形遊びとリンクさせて、春の季節や花咲く植物に興味をもってもらう。
□貼る技術、描く技術
準備
・ピンクの紙色々(和紙、画用紙、お花紙、コピー用紙)
・糊
・八つ切り画用紙(A3程度)
・茶色のペンもしくはクレパスなど
【補足】
●ピンクの紙は、子どもの手でちぎれる厚さであれば何でもOKです。もちろん1種類(画用紙)でもかまいませんが、質感や色が少しずつ違うものが色々ある方が、桜を描いたときに表情が出ますし、ちぎったりパラパラする時にそれぞれの肌触りが違って面白いです。
●糊は、できればフエキ糊。手で取って塗り付けるもの方が指の刺激には最適ですが、制作環境によってはスティックのりなど使いやすい物でOKです。
●茶色のペン・クレパスなどは、桜の木を描きます。ぐちゃぐちゃお絵かきに向いたものであればOKです。
びりびりパラパラ、楽しもう!
この造形は①びりびり、②ぱらぱら、③糊でペタペタ、④枝をぐちゃぐちゃお絵かきと4ステップで進めます。小さい子どもの集中力はそこまで持たないので、全部をやって絵を完成させようと思わずに、一番楽しくて刺激的な①②のびりびりぱらぱらを思う存分楽しんで、時間があれば③④を行うくらいが良いと思います。時間がなければ違う日に改めて③④を行うのも良いかもしれません。
①びりびり やぶるのは難しい!
小さい子どもにとって、はじめて紙を破るというのは、なかなか難しいので、はじめは大人が少しやぶいてあげて、それを渡してあげるとやぶりやすくなります。
何回かやっているうちに、破るのが上手になってくると、少しのとっかかりでも敗れるようになり、最後には子ども自身で最初からやぶれるようになります。子供の成長に合わせて、大人の手助けを減らしていきましょう。
下の写真は、グチャグチャにしてやぶこうとして、なかなか破れない様子です。
全部手助けして正しい方法を教えてあげるのではなく、ちょっと試行錯誤して困っている様子も見守りながら。試行錯誤してみて、自分でやり方を見つけることもとっても大切な経験です。
②ぱらぱら~!紙吹雪~
子どもたち大興奮の紙吹雪です。たくさんちぎった紙を集めて上から降らせてあげても面白いですよ。
③ペタペタ貼り付け
土台の画用紙にペタペタ貼り付けます。どこに貼ってもOKです。大人の感覚だと、上の方にピンクを貼って、下に木を描きたいところですが、そこはぐっと我慢して、好きなところに貼らせてあげましょう。このころの子どもたちは「サクラの木を完成させる」という気持ちよりも、「やぶってパラパラおもしろい」「糊ってねちゃねちゃするな」「こうやって貼るのか」など色々な事を試しながら習得しています。また、画用紙に糊をたくさんつけて、その上からパラパラ~と紙吹雪を降らすのも良いです。そのまま貼り付けられますし、早いです(笑)。
制作よりも、道具に興味を持つこどももいます。糊のふたが気に入って、ずっと握っていた子も。それはそれでよいのです。ふたが面白かったのですから。
④ぐちゃぐちゃお絵かきで木を描く
茶色のペンで木や枝を描きます。もちろん、ちびっこは木や枝を描くつもりはまったくありません(笑)。ぐちゃぐちゃお絵かきは、描くことの最初のステップです。思いっきりやらせてあげてください。
完成度よりも経験の数を重視したい。
「さくらの木を描こう!」と言うと、保護者さん達大人は、ついつい「いわゆる桜の木」に近づけた作品を作らなければと思い、ついつい手伝いが増えてしまい、ほとんど大人が作ってしまった作品になってしまいがちです。もちろん、年齢に合わせてお手伝いは必要だし、大人がやってしまわないといけない時もありますが。
0~3歳の子どもたちは、何かを作り上げるという未来へ向けて行動することより、まさに今楽しいかどうかで生きています。びりびり、ぱらぱら、ぺたぺたねちゃねちゃ、かきかき。たくさんの感覚遊びはそれぞれに子どもを刺激します。そして全部学ばせようと欲張らず、その時その子が興味があり「楽しい」と思うものを思う存分させてあげてください。
最初はお手伝いが必要でも、楽しいことは何度も繰り返すうちに上手になっていきます。全部大人がやってあげるのではなく、少しずつお手伝いの手を引っ込めていってください。最初はできなかったことが、試行錯誤しているうちにできるようになってきます。紙をやぶれるようになったり、たくさん紙切れを持てるようになったり、ペンの蓋が開け閉めできるようになったり…。とても小さいけれど、確実な成長です。