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「子どもが中心の『共主体』の保育へ」監/大豆生田啓友 著/おおえだけいこー子どもも先生も主体性をもって保育する

子どもが中心の 「共主体」の保育へ
この記事は約9分で読めます。
==帯より==
A vs BではなくA & Bの志向で
A(自由保育、見守り、非認知能力教育、プロセスの評価)
B(一斉保育、教育的援助(指導)、認知能力教育、結果の評価)
地蔵
地蔵

子どもの主体性も大事だけど、先生の伝いたいこともある!

もっさん
もっさん

どっちが良い悪いじゃなく、良いとこ取りしよう

本書の概要

最近よく耳にする「子どもの主体性」ですが、言葉の解釈に幅があったり、現実とのギャップがあってなかなか現場に落とし込めていないことがよくあります。主体性を尊重するためと言っても、子どもに任せきりというわけにもいきません。保育の現場において、こどもと大人の主体をバランスよく共存、融合して活動を行う時の「共主体」の考え方について書かれています。漫画部分や写真も多くとても読みやすく、忙しい先生達の導入本として最適です。

●内容の要約

第一部:「主体性」と「共主体」の意味解釈

「自主性」「自発性」「主体性」の言葉の違いや、先生の主体性と子どもの主体性についてわかりやすく説明されています。一斉保育派の先生と自由保育派の先生のバトルという現場でよくある風景から始まるマンガで一気に読めるのが良いです。子どもの「やりたい」「やりたくない」と大人の「やってほしい」「やってほしくない」のバランスのとり方、子どもが中心の共主体的保育について書かれています。

第二部:「共主体の保育」総括的な理論のコーナー

大豆生田啓友先生×無藤隆先生、大豆生田啓友先生×遠藤利彦先生との対談を通して、大人も子どもも人間同士がともに生きる上で共主体。保育の中で、個性(自尊心、自制心、自立心など)と社会(共感性、協調性、道徳心)などを学べる環境を作る必要性がある。アフォーダンス理論やナッジ理論についても説明

第三部:「共主体の保育」領域ごとの理論と実践のコーナー

自然、音楽、運動、性教育について「共主体」を通した活動方法を紹介。環境づくりや活動の流れ、言葉がけ、大人の関わり方、活動のヒントなど細かく紹介されている。中には先生たちの悩みが多い、虫などの命との向き合い方、子供に無理強いしない活動の進め方、どう扱っていいかわからない性の話、大人主体で行っていた運動会や発表会などの行事をどうすれば共主体に移行できるか、なども細かく紹介されています。

もっさんみいこの感想

今、幼稚園や保育園、こども園で一斉保育から共主体の保育へと変化しているところが増えています。子どもが豊かに育つことを上位目標に置けば、今までの一斉保育だけでは限界があることは明らかです。だからと言って、一斉保育をすべて否定することもできません。それらの間を良いとこどりしながらより良い保育へと変化させるには、導入としてとても良い一冊だと思います。私がアトリエリスタとして自由保育を推進している幼稚園の先生たちにも初めの第一歩としてこの本はとても良い参考書になったようです。

こんな人におすすめ

自由保育VS一斉保育の論争が起こっている幼稚園、保育園、こども園

一斉保育から自由保育へと移行中の幼稚園、保育園、こども園

子どもが「いいこ」すぎる現場。(先生主導過ぎて心を失ってるのでは?)

どんな先生でも子どもを愛していて、良い保育を行いたいと思っているはずです。そのために、子どもに関わる仕事を選んだのですから。なので、意識の差による争いが起こっては子ども達の成長に逆効果。一斉保育も自由保育も「子どもが将来素敵な人生を送れるように」という目的は一緒のはずです。戦うのではなく、双方の良いところを取り入れながら問題解決する必要があります。

この本から学べること

幼稚園や保育園ではたらく先生なら「こんなことあるある!」と頷くよくある例を取り上げながら話が進んでいきます。実際に自分たちが感じた疑問や違和感が詳しく解説されているので、解決とともに実践にすぐに生かせる内容です。

オールカラーページで漫画やイラスト挿絵、写真がいっぱいでとても読みやすくわかりやすい内容です。忙しい先生でも、パラパラと読み進められるので、すぐに現場に活かせる一冊となっています。