==帯より==
自己肯定感、主体性が必要というなら、
ただ、泥にまみれて遊ぶこと。
子育ての不安、親としての自信。
なにもかも、それだけでいい。

まだまだ軽視される「子どもの遊び」

その子が「生きる」ことに直結する力なのに!
本書の概要
NPO法人「プレーパークせたがや」理事であり、羽根木プレーパークで初代プレーリーダーを務めてからこれまでずっと子どもと遊びの関係を見続けてきた天野さんが、実際に出会ってきた子ども達の実例と、脳科学的な根拠を元に「遊び」の大切さを伝えます。自由に遊ぶことで、「自分の事がいいなと思えるようになった」「遊んでなかったら、いまごろ自分はグレてたと思う」「私が生きていてもいい場所を見つけた」というような子ども達の切実な言葉から「遊びの大切さ」の本髄がわかる本。
天野秀昭さんの本

●内容の要約
はじめに
いま、こどもに「遊び」が必要な理由として、「『仮面』をつけて生きるこどもたち」、「ほめることの裏にある『なってほしいこども像』」、「だれかにとっての『いい子』を目指した結果」、「『育つ力』は本人のなかに備わっている」、という点から問題定義します。
1章:「遊び」って、なんだろう?ー生きるベースになる「私の世界」
「遊び」の本質は、子ども自らが「やってみたい」という動機であり、「教育」の中身を決めるのは大人の価値観。こどもの「遊び」は大人にとって、「あぶない」「きたない」「うるさい」存在だが、子どもにとっては、「私の世界」を広げ、経験を深めるための「育ちたい!」という思い。大人がそのような子どもの遊びを規制するとどうなるかが書かれています。
2章:「遊び」は、なぜ必要なの?-脳・体との関係から
ここでは脳科学的に子どもの発達と成長と遊びの関係を説明。子どもの頃に一生懸命大人の望みに応えられるように頑張って、思春期になったころに「これはほんとうの私ではない」と気づく。しかし、それまでに「やってみたい」という心を抑制され続けてきたせいで、やりたいことが「わからない」「なにもない」となる。子どもの「遊び」を奪う事が、どれだけ大きな影響を与えるかについて書かれています。
3章:「遊び」は、育ちにどう影響するの?ー障害の礎をつくるとき
乳幼児期は、あらゆるところに様々な大きさや形のポケットをたくさん作っていく時期。学童期はそのポケットに、いろんなもの、素材や関係、経験をため込む時期。思春期になったら、貯め込んだものを取り出して、あれこれ少しずつ再構築する時期。「いま」を奪われてきた子は、慢性的な「不快」になり、尊重される喜びを知れば、人を傷つけることがこわくなる。様々な問題の解決に、こどもの「遊び」の時間を守ることは欠かせないこと。
4章:「遊び」の環境をどうつくる?ープレーパークの日常にあるヒント
「自分の責任で自由に遊ぶ」がモットーであるプレーパークでは、遊びの中で、子ども自身がリスクを考えながら気をつけ、問題が起こったら自分たちで相談・解決することが基本です。そこで大切にされる子どもの「できない事へのチャレンジ」「やってみたいという動機」「結果ではないプロセス」などが具体例を通して書かれています。大人のかかわり方や遊びへの理解がないと、子どもの「遊び」は守れません。
おわりに
親が「いい子」だと思っていたその時、子ども自身は「自分を生きていなかった」と言う。他にも、大人の価値観で「自分」を奪われた子どもの心の叫びのような言葉が紹介されています。
Chio通信
<ちいさい・おおきい・よわい・つよい>(ち・お)ってなんだ?
各先生の記事が書かれています。
もっさんみいこの感想
納得しかない一冊です。この本で特に重要なのは、子どもの「遊び」の必要性が脳科学的にも証明されている事だと思います。わかっている人にとっては、子どもの遊びの重要性はいう間でもありませんが、子どもを取り巻く環境はなかなか変わりません。それは、おとなの「こうあらねば」という価値観が強いからです。そこを打ち崩すには、医学的な証明は力を発揮するのだと思います。子どもの遊びを守りたいと思う現場に欠かせない一冊です。
こんな人におすすめ
「子どもの遊びの重要性」を訴えたいけど、敵がなかなか手ごわいと感じる人
「子どもの遊びの重要性」をまだ信じ切れない人
未熟な子どもに大人が教え込むべきと思う人、もしくはそういう人が近くにいる人
この本から学べること
この本も、天野さんの実体験をもとに書かれていて、子ども達が彼に投げかけらる言葉は、助けを求める叫びのようにも聞こえます。実際にそのような現場は日常にたくさんあると、私自身も子どもと関わることで良く感じます。特別な事ではないんです。「遊び」が奪われた子どもは、「自分」を奪われた子どもであり、そのストレスが彼らを苦しめます。
それを脳科学的に説明されている心強い本なので、ぜひ一読していただきたいと思います。
子どもの「遊び」は、その子自身を育てる物。大人の価値観を押し付けることで、壊れてしまう子どもの心を知れる大切な一冊です。
