
子どもの権利くらい、当たり前に守ってるよ!

実は大人が気づかず、傷つけてること結構あるんだよ
本書の概要
国連がつくった「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」。本書では、この権利について考えるべき、実際にあるエピソードがたくさん掲載されています。残念ながら、遠い話ではなく身近で起こりうるエピソードです。大人はついつい「子どもは未熟で、教育・指導しなければいけない対象」と見てしまいがちです。しかしそれが行き過ぎると、子どもの心を壊してしまうことも本当によくある話です。身体的虐待はもちろん、言葉や態度でも子どもを傷つけている可能性があります。大人の「あたりまえ」を押し付けていないかを自問自答できる一冊です。
「子どもの権利条約」各条の説明はこちらの本でもご確認いただけます。

内容の要約
ここでは各章に書かれているエピソードを少し紹介します。ハッとさせられることもしばしば。ぜひ本書で全文をご確認ください。
第1章:愛される権利―子どもの基本的権利
・お父さんとお母さんは「自分の考えをきちんと持ちなさい」と言うくせに、ぼくの考えが自分たちとちがっていると必ず反対する。
・おとなは忙しいから、子どもが何を思っているかなんて気づかない。
第2章:自分らしく豊かに大きくなる(成長する)権利―子ども期を豊かにすごし、成長・発達するためのいろいろな権利
・ぼくはいつも眠くてしかたがない。習い事、宿題、ボランティア、遊び塾(本人は遊びとは思っていない)、大人に嫌われたくないから行っている。
・食事中は「姿勢が悪い」「箸の使い方がなってない」…。おこられゲンコツが飛んでくる。
第3章:社会の中で大きくなる(成長する)権利―市民的自由
・世界には食べ過ぎで体を壊す人、食べ物がなくて死ぬ人、人を助ける人、戦争をする人、こどものぼくには不思議に思うことがいろいろある。
・「みんな平等だ」と大人は言うけど、勉強ができる子はよい子、できない子はダメな子として区別される。
第4章:特別な助けを求める権利―特別なニーズを必要としている子どもの権利
・障害をもったお兄ちゃんが、暴れたりするのは嫌なことを無理にさせられたり、気持ちを分かってもらえなかった時。
・国籍、出身で差別される。
第5章:子どもの権利を生かすために―救済の権利とおとな・国・国連の役割
今まで、大人が未熟な子どものためにと行ってきたことは、じつは「子どもにこうあってほしい」とか、「こうあるべきだ」というおとなの期待や願望が強く、大人の都合で決められていることが多い。今一度、子どもに主体をもどして考える必要がある。
もっさんみいこの感想
子どもは、大人に従わないと生きていけないので、ひどいことをされても「自分が悪いんだ」と思います。言葉にする技術がなかったり、相談先がわからなかったり、笑って心の傷を隠そうとしたり、子どもの心の傷が表面的に見えるようになった時にはかなり深刻な状態になっていることも少なくありません。ここに書かれているエピソードを頭に入れておくだけで、声をかけてあげられる、救ってあげられることがあるかもしれません。また、ルビがふられているので、子ども自身が読める場所に置いておけば、助けを必要とする子ども自身が、自分の状況を知るきっかけとなることもあります。
こんな人におすすめ
子どもに関わる仕事をしている人
「あの子大丈夫かな?」という子が身近にいる人
教育熱心な人
子ども自身
この本から学べること
「子どもの人権なんて当たり前に守ってる」それが多くの大人の認識だとは思います。ですが、子どものためにと思い、結構な負荷をかけていることを、大人は自覚しないといけません。「良かれ」と思ってやっていることの本質をもう一度考え直すきっかけにもなる一冊です。
