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【コラム】キッズアートコーディネーターとは

キッズアートコーディネーター
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地蔵
地蔵

もっさんみいこの職業名:キッズアートコーディネーターとは

もっさん
もっさん

もっさんみいこが作った職業の名前だよ!

職業名:キッズアートコーディネーター

キッズアートコーディネーターという職業は、2022年11月1日付で開業届を出した際、職業名として私が勝手に作った職業です。
開業当時の仕事は、絵本作家、工作絵画教室、イベントでのワークショップ、子ども向けに絵本や工作を紹介したYouTube・SNS、ブログなど多岐にわたっていて、全部ひっくるめた言葉がなかったので自分で作りました。
それまでにこの言葉があったかどうかはわかりませんが、検索しても、それらしい言葉は出てこなかったので、そう名乗ることにしました。

キッズアートコーディネーター

キッズアートコーディネーターと名乗ってはいますが、私としては、子どもに芸術の何かを教えるつもりはほとんどありません。描くことも作ることも、いかに自由に、子どもたち自身で考えて作る事ができるかを一番に考えます。それは、必ずしも絵画や造形活動である必要はないと思っています。
外で、自然の中で思いっきり遊ぶ事ができるならそれでもいいと思っています。

キッズアートコーディネーター

子どもたちが、遊びの中で、自らの興味を見つける力、それを工夫してもっと楽しいものに作り変える力、友達と共有できる力、そう言った生きる力を手に入れる事ができれば、それが一番だと思っています。
子ども達は、大人が教え込むよりも、自らの遊びの中でたくさんのことを学びます。その力を生まれながらに持っているんです。
ただ、現代において、子どもは、大人より未熟な存在だと思われているために、何かを教え込もうとする環境はいくらでもある。しかしながら、子ども自身が自ら遊び、自ら学ぶ事ができる遊び環境が、本当に少ない。
私は、その環境を、子ども達に確保してあげたいと活動しています。
ただ私が、絵描きなので、絵を描いたり、工作ができる場所が提供しやすいので、アートという言葉を使っています。

キッズアートコーディネーター

曖昧な言葉「アート」

「アート」という言葉は、曖昧な言葉です。
芸術全般を指す時もあるし、人間が作り出す美しいもの全体を指す時もある。
限られた専門家でない限り、本当の意味をわかっていないし、わかった気になる必要もないと思っています。

キッズアートコーディネーター

「アート」という言葉をつけるだけで、なんとなく素敵なものに見える、興味のある人間は学のある人間のような気がする、意識高い系に思える、そういう心理を引き起こす言葉だということは、知っておいた方がいいと思います。
よく似た言葉で、「学び」「健康」「自己肯定感を上げる」などのキラキラ広告キーワードがあります。
子どもをターゲットにした商品やサービスの広告であれば、100%といっていいくらい使用されている言葉です。
もちろん、子どもたちにそのような効果をもたらしたいと思って開発された商品やサービスであれば、その言葉を使った広告を打つのは当たり前で、否定しているわけではありません。実際に私自身も、よく使うキーワードです。

キッズアートコーディネーター

気をつけないといけないのは、それを選ぶ消費者側だということ。
広告業界の常識として、「商品の良し悪しではなく、広告の見せ方で売れ方が変わる」という言葉があります。簡単に言えば優れた商品でも下手な広告だと、広告の上手い劣った商品の方がよく売れるということ。
いかに、人間がキャッチーな言葉や見栄えのいい広告デザイン、キラキラした見せ方で購買意欲が左右されているかが、よくわかります。
「一滴で美肌に!」ときれいな女優さんの写真で飾られた化粧品をつい買ってしまう心理と一緒です。

キッズアートコーディネーター

全てが全て、過大広告で内容に問題があるサービスだとは決して言いません。
でもその中には「広告で心を掴めば儲かる」と思っている人もゼロではない。
もちろん真っ当に子どものためを考えて作られた商品やサービスだったとしても、それは、本当に自分の子どもに合っているのでしょうか?
他の子どもには必要なものかもしれませんけど、それが全く同じ条件で自分の子どもに必要なわけではないはずです。
キャッチーな広告に心躍らされて、ちゃんと中身を見ているでしょうか?
現在のあらゆる問題の根幹に広告で動かされている人間心理があるように思えます。

キッズアートコーディネーター

今や広告はテレビや雑誌だけでなく、SNSの素人広告も含め、あらゆる手法で消費者の心を揺さぶります。言葉の持つイメージで左右されるからこそ、その中身を吟味する力がとても重要になってくる世の中です。少し話はそれましたが。

なぜ「キッズアート」と名乗るのか

では、なぜ自分の職業に「キッズアート」と入れたのか。
逆説的ですけど、「アート」という言葉には、そういった人の心を引き寄せる力があるからです。

キッズアートコーディネーター

アート、学び、健康、自己肯定感、、、それらのキラキラキラ広告ワードとは真逆の言葉に「遊び」という言葉があります。
大人の感覚から言えば、「遊び」は、あまり良い意味では使いません。
遊んでいいのは空き時間、余暇、リフレッシュ、怠けている、サボっている、やるべき事をやっていない人間は遊ぶべきではない、遊んでばかりはよくない、、、。大人にとっての遊びは、メインではないもの、重要ではない、良くないものという意味で使う事がほとんどです。

キッズアートコーディネーター

もちろん「遊びのない人生なんて面白くない!」と言う大人もいますが、まだまだメジャーとは言えないでしょう。

そして、その大人たちの「遊び」の感覚を、子どもたちの「遊び」と同義語として考える大人がとても多い。
ですが、子どもにとっての遊びは、大人の遊びとは全く真逆の意味を持っています。

キッズアートコーディネーター

子どもたちにとっての「遊び」は、メインの時間を使ってでもやるべき、人間として生きていく力を養う大事な行動です。社会性(人間関係)を身につける、個人の能力(技術や感覚)を身につける、身体的能力(健康、体力)を身につけるなど、人間にとって基礎になる力を育む行動が、子どもの遊びです。

キッズアートコーディネーター

ですが、「子どもの遊び」を大人の意味する「遊び」とごちゃ混ぜにしてしまっているせいで、子どもの遊びを否定する環境がとても多い。そのせいで、子ども達は、彼らが持つ遊ぶ能力を発揮する場所も時間も与えられぬまま、すなわち子どもが子どもとして育つ機会を与えられないまま大人になっていく。自分で考える事ができない、簡単な道具の使い方がわからない、人間関係がうまくいかない、簡単に怪我をする、さまざまな問題の原因となっているのは明らかとされています。

キッズアートコーディネーター

その問題は、子どもの遊び場を考える大人はもちろん、保育や教育に関わる大人達の中では多くの人が気づいている事実。子どもたちが持つ能力が低下している事は、何年も子ども達に関わっている人ならはっきりと感じていることなのです。

けれども今「子どもたちの遊びが必要だ!」と広告を打っても、誰が気づいてくれるでしょうか?
その言葉の意味に気づいてくれる人は、すでに子どもの遊びの重要性を知っている人達、子どもの遊びを守ろうと苦戦している人達でしょう。
子どもの遊びの環境を変えるには、その人達の努力は欠かせないのだけれど、興味がある人たちだけでやっていてもなかなか広がらないのが今の現状。

 

興味のない人、まだ気づいていない人、そういう人たちの心に届く言葉で、私が使える言葉が「アート」なのだと思います。曖昧なキラキラ広告キーワードを使ってでも、たくさんの人に気づいてもらわないと、子ども達が育つ遊び環境は、もはや絶滅寸前。

騙すつもりはもちろんない。だけども、興味を持ってもらうためのキッカケにはなる。

キッズアートコーディネーター

だから私は「キッズアート」という言葉を使う。
「こどもの遊び」というキーワードには興味がわかなくても、「キッズアート」という言葉に興味を持ってくれたら、子どもの遊びの重要性を伝える事ができる。子どもの遊ぶ力と共に、子どもの育つ力を引き出す事もできる。
子どもは、遊んでいる間にたくさんの作品を生み出す。遊び道具、工作作品、コミュニケーション、それらは本当に美しい。子どもの遊びを守るためなら、それらをアートと呼んでしまってもいい。
「アート」という言葉を「子どもの遊び」と繋げる事で、たくさんの大人達に気づいてもらえて、子どもの遊びを守る事ができるのなら、使う。

キッズアートコーディネーター

子どもが思う存分遊ぶ事で、自分を成長させる事ができて、のびのびと自由に自分の人生を生きる事ができたなら、それこそ一番美しいと思う。
アーティストになる必要なんてない。科学者だって、スポーツ選手だって、会社員だって、ユーチューバーだって、どんな人生を歩もうが、思いっきり自分の人生を生きられる人が増えれば、世の中が美しくなる。
そうすれば、全てがアート(美しいもの)になる。

そういう意味を込めて、私は職業として「キッズアートコーディネーター」と名乗ることにしたんです。

子どもが「遊び」の中で、身につけられる生きる力については、またいつか熱く語ろうともいます(笑)。

キッズアートコーディネーター