
ゴッホと言えば?

ひまわりー!でこぼこー!ぐるぐるー!
というわけで、もっさんみいこ工作絵画教室で毎年秋の始めに行う「芸術の秋!名画を描く」シリーズ3回目は、ゴッホのひまわりを描くことにしました。
1回目、2回目はこちら


□「芸術」と聞くと蕁麻疹ができそうな拒絶反応を薄める(笑)。
□油絵のような凸凹がある絵の存在を知る。
□ゴッホという画家を知る。
名画を描く理由
もっさんみいこ工作絵画教室で名画を描く理由は、絵の上達の為ではありません。詳しくは、1回目のモネ、2回目のピカソの記事を読んでいただけると、その思いを書いていますのでご参考ください。
「芸術、アート」という言葉を聞くと、=「私には関係ない世界」と思ってしまう大人は少なくありません。それはきっと、今まであまり楽しい経験がないのが原因なのかもしれませんが、もったいないなぁと思う事があります。
別に嫌いなら嫌いで構わないのですが、良く知らない物を「嫌い」と思ってしまう事は、それを入り口にした面白い事を手前で蓋をしてしまっている事があるのと、それを大事に思う人を簡単に否定してしまったり距離を置いて素敵な人と出会えたかもしれないチャンスを消してしまう事があると思うのです。
もちろん、強要するつもりもないですし、嫌いなら嫌いで良いんですが、「知らない=嫌い」は何事においても、もったいないなともっさんみいこは思うのです。
子ども達は、まだそういう「芸術=嫌い」という固定観念ができていません。スポンジが水を吸うように、そんなこともあるのかと受け入れてくれます。
心のすみっこに「なんか、こんなのがあるんだな。面白がってる人もいるんだな。」と思ってもらえたらいいなと思い、毎年秋に名画の模写をします。
名画を説明する本を用意する
名画シリーズをするときは、作家の本を用意します。子ども用の絵本だけでなく、分厚い画集も用意します。全員が全員読むわけではありませんが、興味を持った子が、すぐ手に取れる場所に置いておくことで、その時芽生えた興味の芽を摘むことなく深められるのだと思います。それぞれの子どもが好きなものを手に取れるよう、1冊ではなくたくさん用意します。なかなか高額な本だったり絶版している本も多いので、図書館で借りるのをおススメします。最近の図書館は、だいたいネットで検索して予約までできます。書庫の奥に眠っている本が多いので、予約して探してもらっておいた方がスムーズに受け取れると思います。
小学館あーとぶっく1・ゴッホの絵本 出版社: 小学館 絵本ナビで見る
小学館のあーとぶっくシリーズは、有名画家の一つの絵を拡大して見たり、部分的に見てみたり、色んな見方を楽しむ絵本です。いろんな画家の本が出ています。
小学館あーとぶっくシリーズ
他にも画家を描いた絵本のシリーズでは、
おはなし名画シリーズ
絵本でよむ画家のおはなしシリーズ
など色々出ています。数がある方がたくさんの子どもに手に取ってもらえて良いと思います。
コミック版 世界の伝記(35) ゴッホ 漫画: フカキショウコ 監修: 木村 泰司 出版社: ポプラ社
伝記のマンガも子ども達にとって、とっつきやすくて良いです。パラパラと目を通すだけでも、画家の一生が伝わります。
こちらもシリーズものです。名画を100%の大きさで楽しむというもの。拡大鏡のように部分的に載っています。全体写真と見比べると、その部分がどうやって描かれているか、絵筆の息遣いなども見ることができて面白いです。特にゴッホの筆跡の凸凹が良くわかります。
指で描く、キャンバスに描く
- 水彩絵の具(小学校で使用しているものでOK)
- 木工用ボンド
- 食品トレー(捨てられるものだと使いやすいです)
- キャンバスB5以内くらい(100均に売ってるので十分です。キャンバスに描くことでテンションが上がります♪)
- 名画の印刷見本(本だと汚れてしまうので印刷しておくと良いです)
- ドライヤー(絵具を早く乾かすため)
- 手拭きタオル、ティッシュ、ウェッティーなど
- 汚れてはいけないものがあれば養生(シートを敷くなど)
※子ども達の手が汚れるので、周囲は気を付けたほうが良いです。
水彩絵の具でゴッホのでこぼこを表現する裏技⁉
ゴッホの絵の特徴は、なんと言っても筆の跡がでこぼこに残っているところでしょう。べちゃべちゃざくざくとあっちやこっちへ塗った筆のでこぼこを見ると、ゴッホという人間が描いた息遣いが感じられて面白いです。
もちろんゴッホの絵は油絵で描かれているので、その絵の具の特性上、隆起したようなタッチが出しやすいという事もありますが、子ども達に油絵の具を使ってもらうには、大人の事情的にいくつかハードルがありますよね。本物を使わせてあげられる予算や環境があるのならぜひ体験させてあげたいところですが…。
木工用ボンドと絵の具を混ぜる
どうにかゴッホのような凸凹を出せないかと考えて、木工用ボンドに水彩絵の具を混ぜ込んで色付きボンドを作り、それを塗ることで凸凹を出せるようにしました。
白い木工用ボンドなので、絵の具を混ぜた時は多少白く濁ります。赤を混ぜればピンク、青を混ぜれば水色になるという感じですが、ボンド自体は乾けば透明になるので、その白く混ざった分は白が抜け多少色鮮やかに色が出ます。子ども達にはその現象を伝えますが、計算するのか偶然を楽しむのかはそれぞれにお任せです。
木工用ボンドを食品トレーに絞り出して、その上に絵具を混ぜていきます。
指で混ぜて、指で描く
ゴッホの絵をよく見ると、油絵の特徴もあって精密に描かれているわけではないという事がわかります。遠目に見ると、凸凹が合わさってひまわりや花瓶に見えるのですが、一つ一つの筆跡は荒々しく詳細を描こうとした線ではないように見えます。
子ども達がペンや筆を持って描こうとする時、どうしても文字を描く時と同じように丁寧に詳細を描こうとしてしまうものです。今回は詳細を追わず、ゴッホの荒々しさを描いてほしかったので、指や手で描いてもらう事にしました。指がどうしても無理だという子は、スポンジなどを切って使っても良いと思います。
みんなの手がえのぐだらけになってしまうので、木工用ボンドと絵の具を出す係は大人がやった方が良いかもしれませんね。もしくは、あとで、チューブを洗うか。。。(笑)
みんなはゴッホじゃない
背景は好きな色に塗ろう、ひまわりの数も花瓶もお好きにどうぞ
ゴッホの画法を盗んで上達する必要があるなら、全く同じ色や描き方を学ぶことも必要かもしれませんが、子ども達は画家になろうという人たちばかりではないです。ただ、ゴッホの絵がでこぼこに描かれている事、ゴッホという画家がいることを感じてもらいたいだけなので、それができればOKです。
背景を塗る
ゴッホのひまわりの背景はどれも素敵な色なので、同じ色を真似して出してみようと挑戦するのももちろんありですが、自分のひまわりの絵なので、自分の好きな色の背景を作って塗ります。
なかなかの広範囲を塗りつくすので、やっているうちに指だけでは面倒くさく、だんだん大胆になっていき、細かく描こうという気がなくなるのがいい感じです(笑)。
背景が塗り終わったら、そのままその上に絵具を載せると混ざってしまうので、一旦ドライヤーで乾かします。
上に色を重ねるたびにドライヤーで乾かす。
机、花瓶、葉、花、、上に違う色を重ねるたびにドライヤーで下の色を乾かしてしまう事がポイントです。机の上に花瓶を置くのか、花瓶に生けるのか、土から咲かすのか、それも子ども達に任せます。
ひまわりの数もご自由にどうぞ
花の数も花瓶の模様も好きなように描いてもらいます。自分の好きな絵をゴッホの凸凹をつかって描く。その方が楽しく絵を理解できると思うのです。
みんなのひまわり作品展
気乗りしない子、技術的に難しい子でもでこぼこは楽しめる
有名画家の画法を描くことで学び取ることが目的であれば、ゴッホの絵を忠実に模写することが大切になってくるのでしょうけど、絵を楽しく描く事や芸術に親近感を持ってもらう事が目的なのであれば、必ずしもひまわりを描く必要もないのだと思います。子どもによっては、気乗りしない日もあります。「そんなのやらないよ!」とへそを曲げてる事もあります。技術的に難しい子どももいます。ゴッホの凸凹をいかして描いたこんな絵も素敵だと思いませんか?
ゴッホを忠実に描かなくても、絵の具って盛り上げられるんだ、この色を混ぜればこうなるんだ、指で描くって面白い、グチャグチャ描いたけどなかなか面白い作品になった、、色んな学びがあるものです。
芸術のおまけで遊ぶ
パレットに広がった色もおもしろいですよね。オレンジになった手を洗った子が、「水が夕日になってる~!」と言っていました。素敵な表現で、びっくりしました。