夏休みやで!遊びまくるで!いえーーーい!
夏休みの宿題、忘れずにネッ!
めんどくさー。絵、描くの嫌いやし…
夏休みの宿題、めんどくさいですよね~。わかります。でも、やらなきゃいけない。
実は、子どもより親の方が心配していたりして??特に工作やポスターの宿題は、親として、何をどうやって進めていけば良いのかわかりませんよね。今回は、ポスターの描き方についてポイントをお伝えしたいと思います。
「絵心がない(涙)」という保護者の方でも大丈夫!そもそも、絵を描くことが日常でもないのに「上手に描かなければ」なんて気持ちは捨てちゃってください。算数だって漢字だって何度もやるからできるようになる。だから、絵の練習もしたことないのにいきなり上手に描くことなんで無理です。やった事も無いのに「絵心がない」なんてあたりまえです。なので、夏休みの宿題に上手や下手を求めてはいけないと思います。楽しくやればOK!宿題が終わればOK!それでいいじゃないですか。「表現するって面白い!」という夏の思い出作り、それが何よりも大切な宿題の意図だと思いますよ。
□夏休みのポスターをとりあえず終わらせる!
□テーマ選びから絵の構成まで想像力を整理しながら効率的に。
□上手に描くコツ、簡単に使える絵の技術
①テーマを選ぶ
夏休みの宿題プリントのテーマから
最近は、各企業や自治体が夏休みの宿題に向けてポスターコンクールのテーマを発表して、その中から選ぶというものが多いですね。よく見かけるのが「交通安全」「自然環境」「地域の特性(川、山、海)」「平和」などです。MOA美術館児童作品展のコンクールもあるようですね。こちらはテーマ自由なので、テーマにとらわれずに描きたい子には良いですね。ホームページをのぞいて見ると各学年の色んな絵が見ることができるので参考になりますよ。
サイズ、画材をチェック
テーマが決まれば、画用紙のサイズと画材をチェックします。描いてから、間違えていたなんてショックすぎるので、必ず確認しましょう。
サイズ
四つ切:254×305mm
八つ切り:165×216mm
A3:297×420mm
です。覚え方としては、全紙という大きい紙を4つに切ったものを四つ切、8つに切ったものを八つ切りと呼ぶので、数が大きい方がサイズが小さいという事になります。
画材
絵の具を画材とするものがほとんどですが、クレパスや色鉛筆、油性マジック、時には色紙を貼ったコラージュを使っても面白い作品が仕上がります。そこまで厳しく書いていない物もありますが、コラージュなどは剥がれる事もあるのでNGな場合もあります。制作する前に確認しておきましょう。
②何を描くか考える
始めは文字ベースで考える
イメージがバンバン浮かぶ子は、そのまま下描き、本描きと突入していっても問題ないですが、テーマは決めたけど何を描けばいいのか思い浮かばない子も多いです。その時は一度、文字(言葉)で想像力を整理してみましょう(保護者の方がインタビューするような形でも良いかもしれません)。テーマが選びきれない場合は、こちらの作業をしてからイメージがわいてきたテーマに決定しても良いでしょう。
ざっくりしたイメージを言葉にする
例えば「交通安全」をテーマに選んだとしたら、
・信号をちゃんと守ることを描きたい
・ボールが道路に転がっても、走ってとりに行かない
・夜は、自転車のライトをつける
など一つのテーマで様々な事が描けますよね。まずは、ざっくりとしたイメージを考えます。
イメージに出てくる物を言葉にする
上のイメージが出たとすれば、そのイメージの中にどんなものが登場するのかメモしていきます。
・信号をちゃんと守ることを描きたい
→道路、歩道、信号、信号を待っている子ども、横断歩道、車、
・ボールが道路に転がっても、走ってとりに行かない
→道路、びっくりしている車(運転手、車の顔?)、ボール、ボールを追いかける子ども
・夜は、自転車のライトをつける
→道路、車(ライトついてる)、夜空、自転車、自転車ライトの光、自転車に乗っている人
イメージをいきなり絵にすると混乱するので、ひとまず何を絵にすれば良いか?整理していきます。
描くものを画像検索する
プロの画家だったら、写真や実物から描くこともありますが、本物そのものは情報量が多いので、イラストにするのはとても難しいです。なので、「描きたいもの イラスト」で検索してみてください。「車 イラスト」「信号 イラスト」のような形です。リアルなイラストから簡単に描けるものまで色々出てきます。信号や車、人間などは参考にしても、まったく同じには描けないと思うので問題ありません。キャラクターなどは全く同じに描いてしまうと著作権上の問題にはなりますが、ポーズを参考にして顔を変えるなど工夫すれば大丈夫です。(そもそも真似をすることから上達へつながりますし、何も見ずに描くことはプロでもできません。)
検索しても、出てこないようなポーズの場合は、モデルになってくれる人を探して写真を撮ってみるのもよいかもしれません。
パーツが揃ったら描き始めよう
何を描くかが決まってきたら、どこに何を置くかを考えます。この工程が苦手な子どもも多いので、飛ばしても大丈夫です。慎重派の人は、簡単な配置図を描くと良いですね。
いきなり絵の具で塗ってしまうのもダイナミックで面白いかもしれません。プロの画家は、「下描きしない子どものように描きたい」とよく言います。なので、必ずしも下描きをしなくてはいけないというわけではないのです。
③上手に描くコツは「とにかく大きく描くこと!」
これにつきます。夏休みのポスターはだいたいの場合、絵の具で仕上げます。中にはクレパスや色鉛筆、カラーペンなどを使うかもしれませんが、どの画材も細かく描くことを苦手とするものばかりです。下の画像は、同じものを描いていますが、大きく描いた方が何を描きたいのかわかりやすく、色塗りも楽です。
普段、文字を書く時や自由帳にお絵かきする時は、手首だけを動かして小さく描きます。それに慣れているので、どうしても大きな画用紙に小さいサイズで描いてしまいがちです。下書きをする場合は、手首だけでなく腕を動かして画用紙一杯大きく描くことを心がけてみましょう。
小さく下書きしてしまうとどうしてもその小さい絵に色をつけなくてはいけません。小さい絵に絵の具で色を塗った場合、色がはみ出て何の絵かわからなくなってしまったり、鉛筆の黒が絵の具で溶かされて汚くなってしまいます。もちろん大きく描いても、絵の具がはみ出るし、黒の鉛筆の汚れは出るのですが、大きいので目立たないのです。
この「大きく描く」を意識するだけで、ずいぶんと仕上がりが変わってきます。上手に見えます。そして、細かく描かない分、時間もかかりません。
④近くの色を塗るときは乾いてから!
ありがちな失敗としては、絵の具が乾いていない上から違う色を塗ってしまい、色が滲んで混ざってしまう事です。にじみを楽しむためにやるのならOKですが、良く失敗しがちなのが、肌の色を塗って乾く前に、目の色を塗って滲んで台無しになってしまう事です。凹みますよね。違う色を塗る場合は、乾いてから塗りましょう。ドライヤーなどで乾かすと時短になります。
失敗!もう嫌だ!その前に…
肌の色に目の黒がにじみ出てしまった!
「乾かしてから」と言っていても、やっぱりやってしまうのがこの失敗です。でも、破り捨てる前に試してほしいことがあります!完全にではありませんが、かなり上手にごまかすことができるんです!
ティッシュで水分を吸い取ります
きれいなティッシュで流れ出た部分の水分をえのぐと一緒に吸い取ります。この時、こすらないように!押さえて水分をティッシュに吸収させる感じです。ティッシュが汚れたら他の部分も汚れるので取り替えながら慎重に。
きれいな筆でやさしく洗う
きれいに洗った筆にキレイな水をたっぷりつけて、なでるように絵の具をふき取ります。あまりこすらないように。浮き出た絵の具をティッシュでふき取ります。
完全に黒い部分が撮れるわけではありませんが、だいぶ色が薄くなります。
ドライヤーで乾かす
一度カラッカラになるまで乾かします。
もういちど正しい色を塗りなおし
肌の色をもう一度塗ります。少し濃い目(水が少な目)で塗ると、下の黒い汚れが隠れやすくなります。
ドライヤーで乾かした後、上から色をのせます。
ここで、ちゃんと乾かさないと同じことの繰り返しです。何度も修正をするとさすがに汚れが取れにくくなりますので、完全に乾くのを確認して色を入れましょう。下地(肌の色)の上に別の色をのせる場合は、色を置くように塗ります。筆をこすりすぎると下の色が乾いていても溶けだして色混ざりの原因になります。
水彩絵の具は乾いても水に溶ける性質がありますので、画用紙にのせた色でも水で溶かして薄めることができます。この性質をつかって、こういった修正もできるのです。プロでも使う技なので、使ってみてくださいね。
⑤文字(標語など)が必要な場合のデコレーション
「交通安全」や「環境ポスター」、「選挙ポスター」など文字(標語など)を入れるポスターがあります。文字の入れ方も工夫すれば、グッとレベルが上がります。
えのぐの筆で書く。シンプルですし、描きやすいです。濃い色がおススメです。背景(空など)に色を塗る場合は先ほどの目の黒を塗る時と同じように、絵の具の色を置くようにして塗ります。あまりこすりすぎると、下に塗った色が溶けて色が混じってしまいます。
薄い色で文字を書いた場合、いまいち目立たないことがあります。その時は、絵の具が完全に乾いてから(←※重要)、油性マジックなどで真ん中に文字を書くと目立つようになります。
少し時間がかかって面倒ではありますが、文字をふちどると目立つ仕上がりになります。ただ、難しい漢字は細かすぎて文字がつぶれやすいので注意です。
ふちどった文字に影をつけると、さらにかっこよくなりますね。手間はかかりますが、文字がグッと引き立って素敵です。
絵の具ではなく、クレパスのはじき絵の技法を使う事もできますね。背景を塗る前に、クレパスで文字を書いておけば、その上からざざっとえのぐを塗れば、文字が浮き出ます。これは、クレパスが油性の為、絵の具の水をはじく性質を用いています。
⑥色の塗り方、混ぜ方のヒント
色の混ぜ方
赤、青、黄+白でほとんどの色が作れます。えのぐセットのチューブからそのまま出した色を使う事もできますが、少し色を混ぜて塗っていった方が、面白い仕上がりになります。上手に色混ぜができなくてもいいじゃないですか。それは今年の成長の一部。なんでも実験。その経験が毎年重なっていけば、少しずつレベルもアップします。
色混ぜについて詳しくは、下記記事をごらんください。
背景を一気に塗る簡単な方法
背景を塗るのは時間がかかりますよね。しかも何回も塗っていると画用紙がボロボロになって、消しゴムのカスのようなものが出てきます。えのぐのにじみやぼかしの技術を使うと、あっという間に塗れてしまうので、時短にもなりますし、仕上がりもグラデーションが活かされて面白いものになります。
詳しくは下記記事をご覧ください。
背景を塗る場合は、一気に背景部分(絵をよけた部分)に透明の水を敷きます。太い筆やハケで一気にやってしまいましょう。水がかわかないように、たっぷりです。意外に画用紙は強いです。こすらない限り簡単に破れたりはしません。水が全体にいきわたったら、背景にしたい色を水多めに緩めて、画用紙に敷いた水の上に置きます。塗るというより、ポンポンと置いていく感じ。上手く混ざらなければ、筆で優しくなでるように。あとは自然に水を敷いた上を絵の具が広がっていきます。
乾いてから色が薄いなぁと感じれば、もう一度同じようにしていきます。何度か色を重ねていくことで、グラデーションが豊かに面白い仕上がりになります。